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就職内定率と『人財』

(2009年12月)


就職内定率

先頃、文部科学省が「2010年春卒業予定の高校生の就職内定率が55.2%で前年同期比11.6ポイント悪化、同時期の調査では過去最大の下落幅」と発表しました。数字だけ見ているとため息が出てしまう結果です。

しかし、先日、静岡県内のある商業高校に1・2年生対象の職業意識向上講座の仕事で伺ったところ、3年生の就職希望者全員内定という快挙の報告を受けました。文科省の発表とは異なる事実に、県内の高校生達から元気をいただきました。

企業が求める人材

では、企業側が必要とする人材とはどんなものなのでしょうか。ある調査会社が行った300社アンケートによると、ベスト3は「人柄がよい」「常識を持っている」「意欲がある」、と意外にも企業が求めているのは、成績よりも日常的な事柄・人柄の部分でした。

更に加えると「イエスマン」ではなく自分の意見を持ち、視野の広い、会社に対して新しい提案が出来る人だそうです。会社の状況を的確に見極め、なおかつ新しい可能性を創造できる『人財』が求められているのがわかります。

人という財産

私は人材の「材」の字を、想いを込めて「財」と表現します。この不況を乗り越える一番不可欠なものは、「やはりこの人」という財産、『人財』ではないでしょうか。

「三つ子の魂百までも」という諺がありますが、私は職業柄よく実感します。人は、生まれた時から持ち合わせる素質に、貴重な経験が積まれて個性や能力が形成されて行きます。社会人に近くなって慌てて訓練するのではなく、小さい頃から先ずは「当たり前のことを当たり前に」出来る力を育てていくのが我々大人の大きな役割です。

地域愛

そして、もう一つ提案したいのが「地域愛」です。子育てを世帯内だけの責任にせず、安心・安全な、元気な地域で『人財』を育てていく。そうすることで、その地域で育った子どもたちが「地域愛」を持ち、地元に残っても、一時期は地元を離れても、自分の能力を地元というカテゴリーで思い切り発揮し、次代を担っていく。これがあるべき人財「人づくり」ではないでしょうか。そこが成り立ってこそ国へ、世界へ繋がっていくのですね。

就職の先に見えるもの

それぞれの教育課程を終えて就職や起業に向かう学生達。前述の就職率の低さはだけでなく、近頃は一年目の離職率の高さも切なく感じています。この数字からも、コミュニケーション能力や自己表現、自己管理能力が低くなっている事は否めません。

静岡県は自然も教育環境にも恵まれています。その恵まれた環境をフルに活かして、夢や目標を持ち、地域を愛し、自分の持っている以上のものを無理に出そうとせず、継続していけるスタンスを掴んで貰いたい――そう切に願います。仕事やボランティアを通じて、その一助となれるように、今の自分に出来る精一杯を楽しみながら、日々子どもや学生達を見守っています。
(ぽっぷちゃいるど理事長 みずの・くみこ)

【参照】
朝日新聞 asahi.com
2009年12月15日「高校生の内定率、急落55.2% 下げ幅過去最大」

厚生労働省職業安定局
「若チャレ!若者の人間力を高める国民運動 若者雇用関連データ」

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