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太陽のない季節 頭はもやもや

(2011年7月)

桜の花びらが舞い散り、新緑が山を彩り、そして夏へ向かっていく季節は、あふれ出す色と光を実感します。

でも南極は逆です。白い氷の世界の色はとてもシンプル。冬へ向かい、太陽が出る時間は日に日に短くなって、暗くなる一方です。6月は太陽が一日中昇らない「極夜や」となり、昭和基地では7月半ばまで1カ月半続きます。夜は真っ暗。太陽は出なくても正午ごろには地平線に迫るの
で、懐中電灯がなくても外を歩ける薄暗さにはなります。

太陽のない季節 頭はもやもや

冬は夜が長い分だけ、オーロラを見られるチャンスも多くなる=南極・昭和基地で

野外で観測する時間も短くなり、遠征もできません。暗い季節に基地に閉じこめられる生活が続くと、気分までぱっとしません。「なんだかずっと眠いな」、そうぼやくと、「頭が重たい」「だるい」「夜になって眠いのに眠れない」、そんな症状を訴える隊員もいました。

気分だけの問題ではなく、体内時計が狂ってしまったせいだったのです。時差ボケの状態と似ています。人の体内時計の周期は24〜25時間前後で、24時間とぴったりではないのです。でも太陽のような強い光を浴びることで調節されて、1日24時間のリズムに合わせられるのだそうです。

照明では不十分。解消法は昼に体を動かして、夜、寝付けるようにすることくらいでしょうか。もう一つの良薬は、思いっきり騒ぐこと。冬至は越冬隊にとって大切な節目、これを乗り切れば明るく暖かい夏が近づくのですから。ミッドウインター祭を開いて、寸劇やコンサート、出店……真剣に準備してお祭りを盛り上げているうちに、もやもや気分も忘れてしまうのです。

極地でなければ極夜の体験はできませんが、ふさいだ気分の解消法は似てますね。体を動かし、何かに夢中になる、一人で閉じこもらず皆で何かに取り組んでみる。

大震災の被災地を取材し、避難所で掃除や料理で忙しく動き回る方々に会いました。機会があれば南極の話をさせていただき、少しでも気分転換になればいいですね。
(朝日新聞報道局記者 中山由美)

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