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「宇宙からの使者」南極は隕石の宝庫

(2011年12月)

小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡の帰還にわいたのは1年余り前。私も感動しましたが、ちょっぴり悔しさも。持ち帰った微粒子に皆、大注目でしたが、南極ではその何万、何億倍もかもしれない地球外物質がみつかっているのに、あまり知られていないんですよね。隕石のことです。

隕石は全世界で約6万個、このうち約4万8千個が南極でみつかりました。日本の南極観測隊の発見はその3分の1超の約1万7千個。数年前に米国に抜かれるまで、長らく世界一を誇っていました。

日本は1969年、やまと山脈で初めて9個を発見。その後、「山に近い氷原を走っているとみつかるぞ」と気づいて、探査してきたのです。

秘密は氷にありました。大陸の内陸は氷の厚さが4,800メートル近くあり、低い沿岸へ、そして海へとゆっくり流れています。途中に山があると止まり、日差しと風にさらされ「昇華」して消えます。冷凍庫に入れっぱなしで小さくなった氷を思い浮かべると、わかるでしょうか。落ちて氷の中に沈み込んでいた隕石は、氷が消えると姿を現すのです。

51次隊で私は隕石隊に加わり、セールロンダーネ山地で1カ月半過ごしました。強風に吹きさらしで震える毎日、「風がやんでくれないかな」と思いましたが、無理です。雪をかちかちに凍らせ、氷原にする強風が吹く所こそ隕石がみつかるのですから。

「

青白く光る氷の上をスノーモービルで走りまわり探していると、黒っぽい隕石がころん

青白く光る氷の上に目を凝らすと、黒い石がぽつん。隕石です!表面がつるんと滑らかで、熱で溶けた感じが地球の石とは違って見えました。隕石の9割近くは46億年前のもの。太陽系誕生の頃、宇宙空間にガスや塵ちりが広がり、惑星が生まれましたが、惑星にならずに漂っているものが隕石となったそうです。

このほか月や火星から来た隕石も日本隊はみつけました。

悠久の時を越え、「宇宙からの使者」に出会えた偶然を思うと、寒さも吹き飛びます。どんな宇宙の秘密を語ってくれるのでしょう。
(朝日新聞報道局記者 中山由美)

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