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報道の未来へ続く検証

(2012年1月)

年明けにはだれも予想していなかったような形で2011年が終わり、新しい年を迎える。復興に向けて大きく前進する年になってほしい。

メディアにとっても、大きな試練の中での年明けだ。今回の災害、とりわけ福島第一原発事故をめぐり、さまざまな課題が提起されたからだ。

2011年10月の新聞週間特集をご記憶だろうか。「前例なき災害 伝える」をテーマに、8ページもの大特集が組まれた。メディアとしての責任をきちんと果たせたのか、記者たちが率直に、反省や無念の思いを語っていた。

原発事故の報道をめぐって出てきた批判の一つに、新聞は政府のいうことをそのまま伝えた、まるで戦時中の「大本営発表」のようだ、というものがある。

たとえば、原発の炉心が溶けていることを東京電力が発表したのは5月だ。そのニュースに驚き、新聞はそれまでいったい何をしていたのだ、という思いを抱いた人もいたに違いない。

科学医療部の記者たちは、専門家の取材で、炉心溶融は間違いないとの情報を得て、3月のうちにその可能性を報じている。しかし、そうした記事は、日々起きることや膨大な発表情報の中で埋没してしまった印象はぬぐえない。

政府は、放射能の問題も含めて、パニックを招かないためにできるだけ情報を抑えようとしたことは間違いない。

情報が限られる中、独自の取材を生かして、読者が必要な事実をどう報じていくか。大きな課題だ。

一方、原子力をどう報じてきたか、過去の報道の検証も進む。過去を振り返りつつ、しかし、歩みを止めるわけには、むろんいかない。
(朝日新聞論説委員 辻 篤子)

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